ドル・円は2カ月ぶり109円台、ユーロなど反落でドル買い圧力

東京外国為替市場のドル・円相場は約2カ月ぶりとなる1ドル=109円台へ上昇。リスク選好に伴うの流れを引き継いで始まった後、これまで大きく上げてきた欧州通貨や資源国通貨が反落し、全般的にドル買い圧力が強まった。ユーロは欧州中央銀行(ECB)政策委員会を控えて売り優勢。ポンドは通商合意なき欧州連合(EU)離脱リスクが意識され反落した。

市場関係者の見方

外為ドットコム総合研究所の神田卓也調査部長

  • ドル・円は200日線を突破して上値追いのモメンタムが続いているし、一方でドル売り一休止の流れの中で今度はドル買いが上昇の原動力になりつつある
  • リスクオンムード自体は大きく崩れてはいないが、中国株や日本株が伸び悩んでいることがドルの買い戻しを誘っている面も
  • ユーロはECBへの警戒感も相まって利食い売り。PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)拡大が大多数の見方だが、7500億ユーロの枠もまだ残っているし、市場期待通りの追加措置が出るか不透明な部分も

大和アセットマネジメントの亀岡裕次チーフ為替ストラテジスト

  • ドル・円の上昇は米経済指標の予想を上回る改善が背景にあり、指標改善が続けばさらなるドル高円安もあるだろう
  • ECBについては買い入れ拡大期待が高い分、若干ユーロ安のリスク。ただ、ドイツをはじめ欧州が財政拡大と金融緩和に向いているのは事実で、世界がリスクオフに傾いてドル・円が大きく下がることはないだろう

背景

  • 3日の米国株は続伸、ADP民間雇用者数やISM(米供給管理協会)非製造業指数が予想を上回ったことを好感。4日の日本株も上昇。一時マイナスに転じる場面も見られたが、日経平均株価は前日比81円高で終了
  • 4日のECB政策委員会について、ブルームバーグが先週実施した調査では、圧倒的多数が5000億ユーロの増額を予想した
  • ドイツのメルケル連立政権は3日、1300億ユーロ規模の景気刺激策で合意-予想の上限を30%上回る規模
  • イングランド銀行(英中央銀行)は3日の声明で、EUと通商合意なしの離脱は「英銀が準備しなければならないさまざまな結末の一つだ」と指摘

きょうの国内市況(6月4日)

東京株式相場は4日続伸。米経済指標の改善や新型コロナウイルスの感染状況への楽観で、投資家はリスクオン姿勢を強めた。ハイテク株など輸出のほか相対的に割安感のある化学などの素材や銀行が買われ、医薬品などが売られた。高値警戒の売りに押されて指数が下落に転じる場面もあった。

野村証券の伊藤高志エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「米ISM非製造業景況指数が中国など国外の影響を受ける製造業の景況感指数と同程度の改善となり、経済活動が正常化していることを確認できたことは相場への安心感につながる」とみていた。

債券相場は下落。新型コロナウイルス感染拡大の影響で悪化した景気の底打ち期待感を背景としたリスク選好の動きに加えて、この日に実施された30年利付国債入札の結果が低調と受け止められたことから、超長期債を中心に売りが優勢となった。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 世界的に4月で景気が底打ちして最悪期を脱したとの見方から、投資家のリスク回避姿勢が後退している
  • 国内では7月からの増発に伴う需給悪化懸念が根強く金利上昇圧力が掛かりやすい
  • 日本銀行は極端に金融市場が不安定にならない限り、超長期債の買い入れ増額は考えないと思われ、超長期債利回りの低下余地は限られる

30年債入札

  • 最低落札価格は96円55銭、市場予想と一致
  • 投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.84倍と2016年7月以来の低水準、前回3.69倍
  • 小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は11銭、前回9銭

東京外国為替市場のドル・円相場は約2カ月ぶりとなる1ドル=109円台へ上昇。リスク選好に伴うの流れを引き継いで始まった後、これまで大きく上げてきた欧州通貨や資源国通貨が反落し、全般的にドル買い圧力が強まった。ユーロは欧州中央銀行(ECB)政策委員会を控えて売り優勢。ポンドは通商合意なき欧州連合(EU)離脱リスクが意識され反落した。

  • ドル・円は午後3時36分現在、前日比0.2%高の109円14銭。一時109円15銭と4月7日以来の高値を更新
  • ドルは主要通貨全てに対して上昇
  • ユーロ・ドルは0.2%安の1ユーロ=1.1206ドル、ニューヨーク市場終盤には1.1257ドルと3月12日以来の高値を記録
  • ポンド・ドルは0.4%安の1ポンド=1.2530ドル

外為ドットコム総合研究所の神田卓也調査部長

  • ドル・円は200日線を突破して上値追いのモメンタムが続いているし、一方でドル売り一休止の流れの中で今度はドル買いが上昇の原動力になりつつある
  • リスクオンムード自体は大きく崩れてはいないが、中国株や日本株が伸び悩んでいることがドルの買い戻しを誘っている面も
  • ユーロはECBへの警戒感も相まって利食い売り。PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)拡大が大多数の見方だが、7500億ユーロの枠もまだ残っているし、市場期待通りの追加措置が出るか不透明な部分も