6月1日からの経済指標カレンダー「ウィズコロナ」の世界で政策をどう運営するか

経済指標

経済指標カレンダー

 

発表経済指標重要度前回(修正)予想結果
6/1 (月)
08:501-3月期 四半期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額 [前年同期比]-3.5%
10:455月 Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)49.449.8
16:505月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)40.3
16:555月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)36.836.8
17:005月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)39.539.5
17:305月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)40.640.9
22:455月 製造業購買担当者景気指数(PMI、改定値)39.8
23:005月 ISM製造業景況指数41.543.5
23:004月 建設支出 [前月比]0.9%-6.5%
未定 休場
未定 休場
未定 休場
未定 休場
6/2 (火)
07:454月 住宅建設許可件数 [前月比]-21.3%
08:505月 マネタリーベース [前年同月比]2.3%
10:301-3月期 経常収支10億豪ドル56億豪ドル
13:30 豪準備銀行(中央銀行)、政策金利発表0.25%0.25%
15:005月 ネーションワイド住宅価格 [前月比]0.7%-1.0%
15:304月 実質小売売上高 [前年同月比]-5.6%
15:454月 財政収支-525億ユーロ
16:305月 SVME購買部協会景気指数40.742.0
17:304月 消費者信用残高-38億ポンド-28億ポンド
17:304月 マネーサプライM4 [前月比]2.8%
17:304月 マネーサプライM4 [前年同月比]8.1%
6/3 (水)
10:301-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前期比]0.5%0.2%
10:301-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前年同期比]2.2%1.9%
10:304月 住宅建設許可件数 [前月比]-4.0%
10:304月 住宅建設許可件数 [前年同月比]0.2%
10:455月 Caixinサービス部門購買担当者景気指数(PMI)44.4
14:451-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前期比]0.3%-2.1%
14:451-3月期 四半期国内総生産(GDP) [前年同期比]1.5%-1.2%
16:555月 失業者数 [前月比]37.30万人18.00万人
16:555月 失業率5.8%6.1%
17:305月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)27.828.0
18:004月 卸売物価指数(PPI) [前月比]-1.5%-1.5%
18:004月 卸売物価指数(PPI) [前年同月比]-2.8%-4.0%
18:004月 失業率7.4%8.1%
20:00 MBA住宅ローン申請指数 [前週比]2.7%
21:155月 ADP雇用統計 [前月比]-2023.6万人-950.0万人
21:301-3月期 四半期労働生産性指数 [前期比]-0.1%
22:455月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)36.9
22:455月 総合購買担当者景気指数(PMI、改定値)36.4
23:00 カナダ銀行 政策金利0.25%0.25%
23:005月 ISM非製造業景況指数(総合)41.844.2
23:004月 製造業新規受注 [前月比]-10.3%
(-10.4%)
-15.0%
6/4 (木)
08:50前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対外中長期債)-4329億円
08:50前週分 対外対内証券売買契約等の状況(対内株式)754億円
10:304月 小売売上高 [前月比]8.5%-16.3%
10:304月 貿易収支106.02億豪ドル75.00億豪ドル
15:305月 消費者物価指数(CPI) [前月比]-0.4%0.0%
16:505月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)29.4
16:555月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)31.431.4
17:005月 サービス部門購買担当者景気指数(PMI、改定値)28.728.7
17:305月 建設業購買担当者景気指数(PMI)8.2
18:004月 小売売上高 [前月比]-11.2%
18:004月 小売売上高 [前年同月比]-9.2%
18:001-3月期 四半期経常収支-681億ランド
20:305月 チャレンジャー人員削減数 [前年比]1576.9%
20:45 欧州中央銀行(ECB)政策金利0.00%0.00%
21:30 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
21:304月 貿易収支-444億ドル-415億ドル
21:30前週分 新規失業保険申請件数212.3万件
21:30前週分 失業保険継続受給者数2105.2万人
21:304月 貿易収支-14.1億カナダドル
21:301-3月期 四半期非農業部門労働生産性・改定値 [前期比]-2.5%-2.5%
6/5 (金)
08:304月 全世帯家計調査・消費支出 [前年同月比]-6.0%-12.7%
14:004月 景気先行指数(CI)・速報値84.7
14:004月 景気一致指数(CI)・速報値90.2
15:004月 製造業新規受注 [前月比]-15.6%-15.0%
15:004月 製造業新規受注 [前年同月比]-16.0%-22.0%
21:305月 非農業部門雇用者数変化 [前月比]-2050万人-825.0万人
21:305月 失業率14.7%19.5%
21:305月 平均時給 [前月比]4.7%1.0%
21:305月 平均時給 [前年同月比]7.9%8.9%
21:305月 新規雇用者数-199.38万人
21:305月 失業率13.0%
23:005月 Ivey購買部協会指数22.8
28:004月 消費者信用残高 [前月比]-120.4億ドル-150.0億ドル

巨額発行に揺るがぬ国債市場、日銀新型オペ巡る需要サイクル

[東京 29日 ロイター] – 第2次補正予算編成に伴い国債発行は過去最大規模に膨らむが、円債市場に動揺はみられない。

日銀による購入増期待だけでなく、新型オペを巡る国債の新たな需要サイクルが出現しているためだ。政府と中央銀行が一体化した政策運営は、危機対応の「グローバルスタンダード」になりつつある。

しかし、異次元レベルでの持続的な運営は可能なのか、当の市場参加者も不安げにみつめている。

<モラルハザード的な安心感>

市場関係者が国債発行計画で最も注目するのは、カレンダーベースの市中発行額だ。補正予算の事業規模や財政支出(真水)だけでは実際に市場に出てくる国債の量はわからない。会計年度より前に発行されていた前倒し債などを引いた同額をみて、初めて国債の需給を判断できる。

そのカレンダーベースの市中発行額が2次補正予算編成によって212.3兆円に膨らむことになった。
1次補正予算から59.5兆円、当初予算からは83.5兆円の増加となる。過去最大だった2013年度の156.6兆円と比較しても55.7兆円上回る「空前絶後」のレベルだ。

しかし、債券市場は落ち着いている。

国債需給に直接影響する額が急増することがわかったにもかかわらず、指標となる新発10年債利回りJP10YTN=JBTCは市中発行額が明らかになった27日の市場で、わずかだがむしろ低下。

28日も横ばいと堅調な動きを続けている。

その背景にあるのは、やはり日銀の存在だ。「国債増発に応じて、国債買い入れオペを増額する」(国内銀行の債券ストラテジスト)という予想は市場のほぼコンセンサス。

市場に国債が大量に出ても、日銀が買ってくれるから問題はないという、やや「モラルハザード」的な安心感が市場にはある。

日銀は現在、物価連動債と変動利付国債を除く利付国債だけで年間74兆円程度のペースで購入しているが、13─15年のピーク時には90兆円を超えるペースで購入しており、まだ「余裕」があるとの見方が多い。

2次補正後のカレンダーベース市中発行額212.3兆円のうち、利付国債は117.6兆円。日銀が90兆円に購入を増額すれば76%を占めることになる。

<日銀新型オペの担保需要>

利付国債以外も、日銀を中心とした需給構造にがっちりと組み込まれている。

今回の増発で最も増えたのが、期間の短い割引短期国債(国庫短期証券、TB)だ。カレンダーベース市中発行額は1次補正時点から59.5兆円増えたが、TBはそのうち45.5兆円を占める。特に6カ月物は35.6兆円の増加だ。

しかし、6カ月物TBの金利は依然として安定している。足元でマイナス0.19%付近と昨年12月時点よりも低い。

TBのぶ厚い需要を生み出しているとみられているのが、日銀の新型オペだ。

日銀は22日に開いた臨時の金融政策決定会合で、金融機関向けの新たな資金供給手段を決定した。利用残高の2倍の額を金利ゼロ%の「マクロ加算残高」に加算するとともに、利用残高に相当する当座預金にプラス0.1%の付利を実施する。

規模は30兆円。

マイナス金利に悩む金融機関にとっては魅力的に映る。

その新型オペに応じるために必要になるのが担保としてのTBだ。「TBは規模や期限など日銀の新型オペの担保にぴったりとはまる。TB入札が最近好調なのも、そのせいだろう」と野村証券のシニア金利ストラテジスト、中島武信氏はみる。

実際、27日に実施された6カ月物TBの入札が強かったのは、新型オペに応じるための担保需要が要因であったとみられている。この入札日前後に6カ月物TBの償還はなく、乗り換え需要が見込めない中での発行であったにもかかわらず、2兆5000億円の予定額に対し、11兆円を超える応札があった。

<「グローバルスタンダード」にも不安>

この新型オペは、政府の新型コロナ対策の1つである「実質無利子・無担保融資」と一体的に運営されている。この融資が増えれば、オペも増え、担保需要も増加する。

一方、期待ほど融資が増えなければ、オペは少なく、担保需要もそれほど増えない、という柔軟な仕組みになっている。

カレンダーベース市中発行額のうち、TB発行額はあくまで利用可能な「枠」と言える。利付国債と異なり、TBは発行額を機動的に変更できる。212.3兆円は上限であり、実際の国債発行額はもう少し小さいかもしれないということも、円債市場が平静を保てている要因の1つだ。

事実上の「財政ファイナンス」との批判もあるが、いまや政府の政策を中央銀行ががっちりとサポートする体制は日本だけではない。

FRB(米連邦準備理事会)やECB(欧州中央銀行)も行っており、今回のコロナ禍を経て、危機対応の「グローバルスタンダード」になりつつある。

ただ、政府の政策に中央銀行が組み込まれ過ぎることには警戒感も強い。

「一度組み込まれてしまうと抜け出しにくくなる。抜け出せば金利は上がり、国債の利払いは増え、国家財政が成り立たなくなるかもしれないからだ。インフレが起きても今の仕組みは瓦解する」と、パインブリッジ・インベストメンツの債券運用部長、松川忠氏は指摘する。

「アフターコロナ」、「ウィズコロナ」の世界で政策をどう運営するか。危機対応モードからの出口を見据えた長期的な戦略でなければ、将来の重い負担となりかねない。