株価は下落に転じる、ドル売り・円買い先行

東京株式市場は11日、下落に転じた。トランプ米政権が新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済対策を発表するとの期待が高まり、10日の米株式相場は急反発したものの、市場からは実現性を疑問視する声も上がっている。為替相場はドル売り・円買いが先行している。長期金利は低下した。

TOPIXの午前終値は前日比0.46ポイント(0.03%)安の1406.22、日経平均株価は同159円49銭(0.8%)安の1万9707円63銭。情報・通信や医薬品が安く、銀行、食料品、輸送用機器が高い。

トランプ米大統領は9日、金融危機以来の大幅株安を受け、経済を下支えする「極めて劇的」な措置を発表する計画だと発言。10日午後にも経済対策の一部を発表するとしていた。しかし、ホワイトハウスでの記者会見に大統領が現れなかったことから、再び懸念が強まる可能性がある。

SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリストは米経済対策について「給与税減税など効果が大きそうなものが出ている一方で、財源や議会承認など本当に実現するのか、期待感と不安感が交錯し、売り買いどちらにも傾けられない」と話した。

ドル・円相場は前日の株高の反動で米株先物が軟調に始まったことを受け、104円後半で推移している。早朝に105円台後半まで上昇していたことを受けて、輸出企業の売りが出てきたとの指摘もある。

国内債券相場は反発。長期国債先物の3月物は下落して取引を開始した後、上昇に転じている。長期金利は前日終値を4ベーシスポイント(bp)下回るマイナス0.09%まで下げる場面があった。前日の大幅な相場下落の反動に加え、株安・円高などを受けて買いが優勢となっている。

一方で、国際原油価格は大幅続伸している。トランプ米政権が打つ経済対策への期待から需給ショックを巡る投資家の不安が和らいだ。北海原油代表油種ブレント原油先物は一時6.7%急上昇し、5月限が2.48ドル高の1バレル=39.70ドルを付けた。シンガポール時間午前9時10分(日本時間同10時10分)時点では、 1.74ドル高の38.96ドルで取引された。

ドル・円反落、米経済対策期待の株高続かず104円後半-不安定

東京外国為替市場ではドル・円相場が反落。トランプ米政権の経済対策の詳細が発表されず、前日の米株高の反動から米株価指数先物が下落する中、ドル売り・円買いが優勢となった。週明けに急落する前の1ドル=105円台後半までいったん戻したことで、国内輸出企業などの売りを指摘する声もあった。

市場関係者の見方

三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の小林浩一課長

  • 今週101円台を付けた後の105円台後半ということで、実需などいったん売っておきたいという動きがあるのだろう
  • 米株はトランプ政権の経済対策への期待が高まって上がったものの、議会を通せるかどうかなどはこれからであり、いったんは見極める感じになりそう
  • 新型ウイルスも欧州で感染が拡大しており、米国もまだこれからという雰囲気の中で、根本的な治療薬などが出てこないと雰囲気は変わりづらい。週初からのパニック的な動きは収まりつつあるが、リスクオンにはまだ至らない

IG証券の石川順一シニアFXストラテジスト

  • 米国の財政政策の詳細がまだ発表されていない段階で、株高が続くかは不透明。詳細が発表されても、民主党との協議がどこまでスピード感を持って進行するか、議会の承認を得られるかといったハードルをクリアしない限り、期待がしぼんでしまってもおかしくない
  • ドル・円は株式、特に米株にらみの展開で、米国市場の安定が見えるまでは上下に振れる展開を続くことを想定した方がいい

背景

  • クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は10日、トランプ政権が計画している新型コロナウイルスへの経済対策について、近い将来により詳細な内容を公表するだろうと述べた
  • トランプ米大統領は「大型」の包括的景気刺激策を発表する会見を10日に開くと明言したが、同日のホワイトハウスでの記者会見に出席しなかった
  • 10日の米国株は急反発。経済対策への期待から前日の金融危機以来の大幅安から持ち直した。米国債は大幅反落し、原油相場は急反発
  • 一方、11日のアジア時間で米株価指数先物は反落。日経平均株価は一時プラスに転じた後、下落するなど不安定な値動き
  • 財務省幹部は11日、為替市場について、円安にしろ円高にしろ急激な動きは望ましくないし、もう少し良く見ておく必要があると述べた