ドル・円が一時3.6%の急落、フラッシュクラッシュ以来-101円57銭

 

東京外国為替市場のドル・円相場は急落し、一時2016年11月以来となる1ドル=101円57銭を付けた。新型コロナウイルスの感染拡大が週末にかけて世界全体で確認されたほか、原油相場の急落もリスク回避の動きを加速させている。

CIBC証券金融商品部の春木康部長は、ドル・円下落の背景としては、新型コロナウイルスの中国以外での感染拡大が止まらないこと、そして原油価格の急落を指摘。加えて、「週末に公表された中国の貿易統計が予想の範囲内であったが、悪化しており、グローバルな景気懸念が高まっていることもあるだろう」と述べた。

NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのディレクター、デービッド・ルー氏(香港在勤)は、ドル・円が101円台まで急激に下げたことについて「原油価格の急落を受けて、資源国通貨や新興国通貨のクロス円が急落してドル・円を押し下げた」とした上で「アルゴ取引やAI取引がこうした動きを増幅させた」と指摘した。

円高ドル安

新型コロナウイルスの感染症例を報告した国の数は8日時点で100カ国に上ったと、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長がツイッターで明らかにした。米ニューヨーク州で非常事態が宣言されたほか、イタリアではロンバルディア州など北部地域を封鎖する政府計画も明らかになるなど感染問題の深刻化が懸念されている。

石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」が減産強化で合意に至らなかったことを受け、サウジアラビアは日量1000万バレルを十分上回る増産を4月に計画。8日の中東の株式相場は、原油の価格戦争が始まり相場が際限なく下落しかねないとの不安が広がる中で急落した。

財務省幹部は9日午前、同省内で記者団に対し、為替市場に神経質な動きがみられるとの見方を示した上で、今まで以上に緊張感を持って見守ると語った。原油の追加減産で合意に至らなかった経済的な影響についても注視する考えを示した。また、金融庁や日本銀行との三者会合(国際金融資本市場に係る情報交換会合)開催はまだ決まっていないとした。

バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジストは、2016年の円高局面で財務省幹部は介入の用意があるとまで述べたことを指摘し、「まだ警戒度としては差し迫った感じはなさそう」と述べた。そのうえで、「グローバルなリスクオフの中でドル・円は下げ止まりづらいうえ、米金利が下がる中で割高だったドルの調整がどこまで続くか、という相場になっている」との見方を示した。

Bloomberg 2020年3月9日