老後サバイバル、大丈夫か?50代の老後資金準備

「金融リテラシー調査」とは

金融広報中央委員会が、2019年3月に全国の18歳~79歳の個人2万5000人を対象に、インターネットで行った「金融リテラシー調査」とは、18歳以上の個人の金融リテラシー(お金の知識・判断力)の状況把握を目的とした、大規模調査です。

調査時期2019年3月1日(金)~3月20日(水)調査対象全国の18~79歳の個人25,000人調査方式インターネットモニター調査調査結果の概要

調査結果の一括ファイル(PDF 2,404KB)

< 目 次 >

  1. 調査の概要
  2. 調査結果の要旨
  3. 調査結果
    3-1. 金融リテラシーの現状
    3-2. 海外調査との比較
    3-3. セグメント別分析
    3-4. 金融教育を求める声・実施状況・効果
    3-5. 行動経済学的分析
    3-6. 都道府県別分析
  4. 今後の課題
    【BOX1】 金融リテラシーと投資行動
    【BOX2】 キャッシュレス決済
    【BOX3】 成年年齢引き下げについて
    【BOX4】 暗号資産入手者の特徴
    【参考】 調査結果を活用した学習ツール「金融リテラシー・クイズ」
  5. 調査要綱
  6. 調査票(単純集計データ)

統計表

統計表の一括ファイル(Excel 1,584KB)

金融リテラシーの現状、海外調査との比較、セグメント別分析など、以下にある様々な観点での集計結果をExcelファイルにて公開しています。

< 統計表目次 >

  • 金融知識・判断力
  • 海外調査との比較
  • 金融教育のニーズと経験
  • セグメント別分析
  • 行動経済学的分析
  • 都道府県別分析
  • 投資行動
  • 暗号資産・決済方法
  • 調査データ一覧表
  • 参考資料
    (参考1) 分野別正答率の計算方法
    (参考2) 調査データの計算方法
    (参考3) 調査データの引用
    (参考4) 個票データの利用方法

引用:金融リテラシー調査2019年調査結果

 

この調査中の「50代の老後の生活費の準備」の意識をピックアップしてみます。「今後必要になると意識している費用は?」という質問で、「定年退職後の生活費」と答えた人は50代で79.1%です。そのうち、48.9%が老後資金の必要額を認識しておらず、65.4%が資金計画を立てていません。資金確保ができていない人は73.9%もいます。

現在でも、公的年金だけで毎月の生活費を賄えていない層が多く、貯蓄を取り崩しています。将来的に、公的年金は少子化の影響で減額していくのは避けられないため、取り崩す金額は増えそうです。

厚生労働省の調査によると、2018年の平均寿命は女性87.32歳、男性81.25歳です。寿命が延びる余地はまだあるそうなので、90歳超、100歳超まで生きる人の割合が増えるでしょう。そう、超長寿時代の到来です。

 

すると、老後の基本生活費は、寿命が延びる分、膨らみますし、医療・介護にかかるお金も増えそうです。

一方、長寿化に伴って、国や会社もそれなりの手を打っていて、定年年齢は少しずつですが延長されています。しかし、60歳以降も50代と同じ給料水準または昇給していくことは考えにくいですから、60歳から段階的に給料が下がっていくでしょう。つまり、老後資金の貯めドキは50代いっぱいということです。

ハイアンドロー攻略ブログ
ハイローの口座開設、取引ツール、アプリのログインなど。マタフを使った攻略法も公開!ハイローのクイックデモ取引でバイナリーオプション攻略動画を随時更新中

厚生年金と国民年金、どっちがお得

国民年金は20歳から60歳までの国民全員が入る制度

国民年金は20歳から60歳までの国民全員が強制加入の制度です。「20歳になったら国民年金」とCMで流れていますね。その言葉通りで20歳になると、国民年金の手続き書類が送付されてきます(令和元年10月以降)。

国民年金には、老齢基礎年金、遺族基礎年金、障害基礎年金、死亡一時金、寡婦年金など、老齢、死亡、障害に備えた年金や一時金があります。

厚生年金は会社員が入る制度

厚生年金適用の事業所に勤める会社員が加入するのが厚生年金です。厚生年金は加入者に年齢は関係なく、中学卒業後、正社員として(または短時間労働者でも要件を満たせば)勤務する場合15歳からでも加入することができます。また60歳過ぎても70歳までは要件を満たせば厚生年金に加入することができます。

厚生年金には、老齢厚生年金、遺族厚生年金、障害厚生年金、障害一時金など、同じく老齢、死亡、障害に対応した年金や一時金があります。

20歳から60歳までは国民年金の上乗せが厚生年金

高校卒業し18歳(または中学卒業し15歳)で会社員になれば、厚生年金に加入します。そして20歳になって60歳まで会社に勤め続けている間は厚生年金加入のまま国民年金にも加入することになります。退職したら国民年金のみ加入になり、60歳過ぎたら国民年金支払いや免除期間が合計480カ月になるまで任意で65歳まで国民年金に加入できます。

支払い保険料はどっちがお得?

国民年金保険料は月額1万6610円(令和3年度)です。半年払い、1年払い、2年払いもあり、割引を受けることもできます。年金保険料を支払うのが難しい場合は、免除・猶予制度があるので、一定の条件を満たせば全額免除・猶予、1/4免除、半額免除、3/4免除を受けることができます。

厚生年金保険料は、報酬月額に基づいて決められた標準報酬月額に基づき、計算されます。例えば報酬月額(給与+通勤費+家族手当等)20万円なら厚生年金保険料は、月額1万8300円です。一見すると国民年金保険料の月額1万6610円より高く、国民年金の方が得に感じるかも知れません。

では、報酬月額8万8000円(給与+通勤費+家族手当等)だったらどうでしょう。厚生年金保険料は月額8052円です。これなら国民年金保険料月額1万6610円より安いです。標準報酬月額が18万円以下だと国民年金保険料月額より安い厚生年金保険料(月額1万6470円以下)です(協会けんぽ 東京支部・令和3年)。

標準報酬月額が65万円なら、厚生年金保険料は月額5万9475円まで跳ね上がりますが、厚生年金に加入していると、国民年金にも同時に加入していることになるのです。標準報酬月額が高ければ高いほど、国民年金に上乗せされる厚生年金は多額になるので、損にはなりません。

それに標準報酬月額8万8000円なら、月額8052円(国民年金保険料は月額1万6610円)の厚生年金保険料で国民年金と厚生年金の両方が受けられるのですから、支払い保険料の割にお得と言えます。

もらえる年金はどっちがお得?

もらえる年金はどっちが得か?比べてみましょう。まず、老齢基礎年金(国民年金)は、480カ月国民年金保険料を全額おさめた場合、令和3年度の満額の年78万900円です。老齢厚生年金(厚生年金)なら、標準報酬月額が8万8000円(賞与無し)で年金期間480カ月の場合でも、老齢基礎年金78万900円+老齢厚生年金23万1517円=年101万2417円を受けられる計算になります。

また遺族基礎年金(国民年金)は配偶者が死亡して子供が18歳になった最初の3月末までしか出ません。老齢基礎年金をもらっていない夫が死亡した場合の寡婦年金は60歳から65歳までの支給です。

遺族厚生年金(厚生年金)は、再婚などしない限り残された配偶者(夫は55歳以上の場合)は65歳まで(夫死亡時30歳未満の子のいない妻は5年間)遺族厚生年金を受けることができます。

障害基礎年金(国民年金)は、重い障害(1級か2級)の場合しか支給されませんが、障害厚生年金(厚生年金)は比較的軽い3級による年金もあり、障害一時金もあります。

上記の結果から支払う保険料ともらえる年金を考える限り、やはり厚生年金の方が国民年金よりお得だといえるでしょう。

老後資金

年金額はどう計算する?

老齢年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額

老後の老齢年金は、職業や家族状況、年金加入状況によって異なります。主に老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)を合計した額です。

老齢基礎年金の計算はこうする

老齢基礎年金は、20歳から60歳までの40年間、年金保険料を払い続けた場合、満額の年78万100円(平成31年度価格)が受け取れます。年金保険料を払った期間に応じて計算します。

老齢基礎年金額=78万100円×(保険料納付済み期間+保険料免除期間×免除に応じた割合+合算対象期間)÷480カ月

*保険料納付済み期間とは年金保険料を満額(月1万6410円、平成31年度価格)支払った月数です。
*保険料免除期間とは、年金保険料を法定免除・全額免除・納付猶予(月ゼロ円)、3/4免除、1/2免除、1/4免除された月数です。

老齢厚生年金の計算はこうする

老齢厚生年金は平成15年3月以前と4月以降では計算方法が異なります。

1.  平成15年3月までの厚生年金加入月数を確認。

2.  平成15年3月までの被保険者期間の標準報酬月額に再評価率をかけて合計する。

3.  「再評価された報酬月額の合計÷平成15年3月までの厚生年金加入月数」で
「平均標準報酬月額」を算出する。

4.  平成15年4月から受給開始年齢(60歳から65歳)までの厚生年金加入月数と賞与月数を確認。

5.  平成15年4月から受給開始年齢(60歳から65歳)までの被保険者期間の標準報酬月額、標準賞与額に再評価率をかけて合計する。

6.  「再評価された報酬月額と標準賞与額の合計÷受給開始年齢(60歳から65歳)までの厚生年金加入月数」で「平均標準報酬額」を算出する。

7.  「平均標準報酬月額」×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数、を計算

8.  「平均標準報酬額」×5.481/1000×平成15年4月から60歳までの加入月数、を計算

*乗率は昭和21年4月2日生まれ以降の人の新乗率を使用。

9.  上記、7、8で計算した額を合計します

*日本年金機構で「再評価率」をかけていき当時の標準報酬月額を修正し、「平均標準報酬月額」や「平均標準報酬額」を算出します。

実際の年金額の計算をしてみよう

実際に年金額の計算をしてみましょう。昭和33年4月2日生まれの男性で、大学卒業(在学中は年金加入せず)後の昭和55年4月に22歳で就職し、平成25年4月に55歳で退職。平成30年60歳まで就職できず、国民年金保険料が1/2免除になった場合を考えます。

1.老齢厚生年金の計算は?

平均標準報酬月額は32万円とし、平成15年3月までは276カ月。

平均標準報酬額(賞与含む)は38万7000円とし、平成15年4月から平成25年3月で120カ月。

平成15年3月までの年金額
32万円×7.125/1000×276カ月=年額62万9280円

平成15年4月から60歳までの年金額
38万7000円×5.481/1000×120カ月=年額25万4540円

●特別支給の老齢厚生年金額
62万9280円+25万4540円=年額88万3820円

*乗率は昭和21年4月2日生まれ以降の人の新乗率を使用。
*従前額保証で計算せず、本来水準の乗率で計算。

2.老齢基礎年金の計算は?

33年間(396カ月)厚生年金に入るとともに国民年金にも同時に加入しています。その後、国民年金1/2免除の期間が5年(60カ月)です。

老齢基礎年金は、原則65歳から支給されますが、この場合、
78万100円×(396カ月+60カ月×3/4)÷480カ月=年額71万6717円になります。

老齢基礎年金は満額にならない計算です。学生時代の2年間は国民年金未加入で、退職後半額免除になったからです。実際に20歳から60歳までの全期間を免除を受けない満額の保険料を支払い、満額の老齢基礎年金をもらう人は、意外と少ないのです。

3.老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額は?

65歳前までは、「特別支給の老齢厚生年金」のみが支給されますが、65歳以降は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合計した年金が支給されます。

88万3820円+71万6717円=年額160万537円

*65歳以降の差額加算は考慮せず。

家族状況により加給年金、振替加算がつくことも多い

会社員の場合、本人に原則65歳から加給年金39万100円(平成31年度価格)が、以下の要件を満たせば、配偶者に振替加算が付くことがあります。

会社員本人に加給年金が支給されるケースとは……
1.  会社員本人が厚生年金に原則20年以上加入
2.  配偶者の方が年下(老齢基礎年金を受けていると対象外)
3.  配偶者が20年以上厚生年金に加入していない、もしくは20年以上の厚生年金に基づく老齢厚生年金を受けていない
4.高校卒業前の子どもがいると加給年金は年額22万4500円

会社員の配偶者に振替加算が支給されるケースとは……
1.  厚生年金に原則20年以上加入している会社員の配偶者である
2.  20年以上の厚生年金に基づく老齢厚生年金を受けていない
3.  大正15年4月2日から昭和41年4月1日生まれである

老齢基礎年金に老齢厚生年金が上乗せされ、家族状況や勤続年数により加給年金もしくは振替加算が上乗せされる老齢年金。受給開始年齢が65歳より遅くなるのでは?などの報道もありますが、老後のお金を全部自分で計画的に作っていかれる人はほんの少数でしょう。今後も年金は老後の頼りになる収入であってほしいものです。

https://highlow.work/archives/82